飛騨方言の部分はしりべたです。
方言というのは
(1)共通語から語の一部が省かれて省エネ化したものか、あるいは
(2)共通語ではとっくに省くべき語が省かれて省エネ化されているのに
古語の形がしつこく残っているか、のどちらかであると極論できましょう。
しりべたは後者になります。
飛騨地方は冬が厳しいので指定席の学校、つまりは幼稚園から高校まで、では
誰もが自分の椅子に正に冬の季語・いす座布団を用います。昔は飛騨には大学が無く、今は自動車工学の
大学やら美術の大学があり、これらの学生さんは自分用のいす座布団は
毎日持ち歩くしかないでしょう。
さて句意ですが、主語が省かれていますが当然ながら、かわいいあの子が、という事です。
好きになってしまうと髪型も好きだし、まとうマフラーも素敵だし、
話す言葉もうっとりするし、とにかく彼女のものは何から何まで好きになってしまうのですね。
いす座布団だってそうです。みんな似たようなクラスメートのいす座布団ですが
あの子のいす座布団のかわいらしい事といったら。
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