俳句で楽しみながらの飛騨方言道場です。駄作を並べていますがご容赦ください。
飛騨方言の単語の説明ですが、にわり、は俚言四段自動詞・にわる(=にぎわう)の連用形です。
あるいは、にわう、ともいうのではないでしょうか。
察しのよい方は、佐七よだから促音便ですか、と気づかれましたね。
飛騨方言では、にわる、にわう、のどちらの動詞がより親しまれているのか筆者は
考えあぐねて連用形を選び促音便とした訳で、つまり僧は推す月下の門。
あるいは言い換えますと、つまり飛騨方言では
動詞の連用形は若しなれるなら促音便という事です。飛騨方言では、
にわりて、とも、にわいて、とも言いません。ただしサ行動詞の連用形はイ音便です。
また副詞・すんと、は、すぐに、の意味です。すんすん、が語源ではないかと推察します。
句意ですが、今四月も終わりに近いのですが(2006/4/21 10:00 am)、濃尾平野のとある町で朝からの曇り空に突然、パラパラという瓦屋根を
たたく音がしました。若しやと思ってみますとやはり、小粒ながらあられ(霰)が降ってきました。
一瞬の事でした。あられはすぐに(=すんと)消えました。
ほどなく雲の切れ間から青空が(すんと)見え始め、
その青空は(すんと)天を被い、地も(すんと)乾き始めました。
不思議な光景でした。
勿論あられは冬の季語、ですから季節外れという意味でわざわざ春という語を入れてみました。
わかりやすくていいのかな、と思ったのですが。
蛇足ですが、春の語が入った三十以上の芭蕉の句には季節外れを詠った句はゼロのようです。
また二十年前ですが真夏にカナディアンロッキーのルイーズ湖を訪れた折、パチンコ球より大きいあられが
バラバラと降りしきった事をつい思い出してしまいました。
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