大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

たいもないはさみがおそがいスコーピオ

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たいもない、とは、とてつもない、というような意味です。 他愛も無い、が訛った可能性があります。 おそがい、とは恐ろしい、という意味です。 おずし+こはし、が語源の可能性があると考えます。

さて自然豊かな飛騨は空気も当然ながら澄み渡り、夜の星座がよく見えます。東大、京大の 天文台がともに飛騨山脈にあるのも当然といえましょう。 とにかく飛騨では夏の南の空に馬鹿でかいさそり座・スコーピオが よく見えるんですよ。怖いくらいです、と詠った俳句です。図は http://www.homeoffice.idv.tw/archives/image/Scorpio.gif です。

そして、たいもない、という複合語ですが、 果たして冒頭の如く、他愛も無い、が語源でしょうか。 そうかも知れません。がしかし私は悩み続けています。 実は、やくたいもない、という方言形容詞もあるのです。 飛騨始め各地の方言になっています。そしてその語源は、益体も無い、です。 やくたいもない、は日葡辞書にも掲載されていますので確実情報と言う事ができます。

ですから、益体も無い、が現在に生きる飛騨方言である一方、 さらにこれから、たいもない、という言葉も派生してきた可能性も あるのかしら、というのが筆者なりの推察です。 ところが、益体も無い、がとんでもなくちいさくてつまらない、という 意味であるのに対して、たいもない、はとんでもなく大きすぎて嘘らしい、 という全く逆の意味になっていますので、話は混沌として参ります。 この件は私にとっては益体も無い話ではなく、むしろ、たいもない話なのです、嗚呼。 しゃみしゃっきり。

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