大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

アルプスが かすんどるぜな 飛騨ひのき

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私:俳句で楽しみながらの飛騨方言道場です。駄作を並べていますがご容赦ください。
君:簡単に説明お願いね。
私:今日は快晴、桜が咲き誇る近くの山(可児市やすらぎの森公園)に登った。濃尾平野の縁に位置する可児市だが、北アルプス、南アルプス、伊吹山が見える。雪をいただいているが春霞だった。マ行動詞が季語という事でいいかな?春霞は露骨すぎて。
君:そうでもないわよ。春霞やえな(春霞だわ)、でもいいかな。
私:うん。かすんどる、は、かすんでおる、の短呼化で極標準的な飛騨方言の言い回しだ。存在の動詞(いる・おる)は顕著な東西対立があり、飛騨は明らかに西側・おる、の地方。ぜな、は詠嘆・念押しの飛騨方言文末詞。
君:なら、かすんでおるぜな、でもいいわ。
私:旧仮名、をるぜな、はどうだろう。
君:文語文法で文語調ならともかく、現代文を旧仮名で、とはいただけないわ。それに、ひのき、は季語にならないわよ。どうして?杉の花(すぎのはな) 【春―植物―初春】 の如く、近年は、「花粉症」が春の季語として認められ始めたわ。檜はまだね。むしろ風雪に耐える檜で冬の感じかしらね。
私:今の時期、花粉症の時期だが、スギ花粉なら季語になるわけか。杉の花(すぎのはな)なら尚の事いいね。ただし実は飛騨も木曽もスギではなくヒノキの地方。材木の価値がヒノキが上、という理由で植林が盛ん。我が家は山林農家だが、ヒノキの山ばかりだ。春霞の本態はヒノキの花粉によるものか、というのが句意なんだけれど。
君:ほほほ、句意が全然伝わってこないわね。駄作というしかないわ。アルプスが ひのきのはなで はるがすみ・・・これなら少しまともかしらね。
私:僕は何が何でも飛騨方言を入れたいんだよ。
君:アルプスが ひのきのはなで かすんどる、 とでも詠みたいのね。うーん、訴える力が弱い。それにエレガンスに欠けるわね。
私:可児市の周りは杉の木ばかりだ。僕が今日みた春霞の原因は実はスギ花粉かも知れない。飛騨方言の俳句は諦めよう。山々の 春霞かな 杉の花 大西佐七。
君:簡単に諦めてはだしかんぜな。
私:そやな。山々の 春霞じゃさ 杉の花。山々は北アルプス、南アルプス、伊吹山で決まり。
君:山々が 霞の化粧 杉の花
私:おいおい、季重なりは 俳句の入門書によってはダメと書いてあるぜ。
君:絶対ではないわよ。若し嫌だと思えば減らせばいいのよ。山々が 薄化粧せり 春霞。ほほほ
私:山々って若しかして笠ヶ岳と伊吹山。金華山は関係ないな。
君:さあ、どうだか。ほほほ

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