大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 古代

アルタイ語族

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私:既に服部先生の業績を紹介しているので、今更だが、日本語がアルタイ語族に属する根拠はここ
君:何か書き足す事でもあるの?
私:連休だったので名著復刊、講談社学術文庫・日本語の変遷・金田一京助、を読み返した。
君:アイヌ語説ではないわね。
私:勿論。金田一先生のお考えを一言でいうと、日本語はアルタイ語族に間違いなかろうという事。
君:服部論文のすべての点について同意見、というような内容かしら。
私:いや、母音調和に絞ってお書きだね。当然ながら..有坂・池上法則で知られる有坂英世の業績についても丁寧に説明しておられる。
君:母音調和が大切だという意味について一言でお願いね。
私:うん。世界の諸言語で母音調和があるのはアルタイ語族(満州・蒙古、ツングース、トルコ、タタール)、韓国語と日本列島の日本語。これらは然も文法が近い。日本人はじめ、アルタイ語族の言語を話している人々が誰一人として母音調和の存在に気づいて話しているわけではないが、モンゴル出身のお相撲さん達は日本人と顔つきが似ているのみならず、日本に来て数年であっという間に正調の日本語をマスターしている。理由はひとつ、母音調和及び文法だ。以上から日本語がアルタイ語族である事を疑う必要は無いと思う。
君:アイヌ語は?
私:アイヌ語学者がきっぱりと否定していらっしゃる。アイヌ語も日本語以上に孤立した言語と言われている。つまりは大和政権のような民族内支配者がおらず、方言差も著しく、中央語も無かった、というような事がわかっている。中国語もあまりにも異質な言語であり、日本語の語源ではない。
君:古代朝鮮語も古代日本語もアルタイ語族だったようだし、朝鮮語こそが倭語の語源なのではと考える人も多いのじゃないかしら。
私:両方の空想の言語の事を論じても空しいだけでしょう。更に古代の母語、つまりはアルタイ語祖語というものがあって、各国の言語に分化したのじゃないのかな。
君:そのような言語の系統樹そのものをアルタイ語族というわけだからアルタイ語に祖語という修飾語は必要ないわよ。
私:失礼。世界の言語の研究は十八世紀にヨーロッパで始まった。ウラル・アルタイ語とも呼ばれ、アルタイはモンゴルの山脈名。明治の文明開化と共に東洋の神秘の国の神秘の言葉・日本語は欧米の言語学者の興味をそそり、出版ブームが起こって、日本語はアルタイ語族の言語として西洋に知られるようなった。国語だけを知っていても日本語の語源に迫る事は出来ません。つまりは、国学、本居宣長の頭の限界です。若し彼が英語の出版物を読んでいたら唖然としただろう。
君:悪かったわね。
私:いえいえ。他ならぬ左七の事を述べただけの事。但し、日本語の語源を知らなくても日本人である限りは誰もが国語がなんであるかという事を直感で知る事ができる。
君:私、気づいた事があるわよ。
私:何?
君:貴方の頭からは何一つとしてユニークなものは出てこない。全ては本の読みかじり。ほほほ

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