大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

まわし

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東京花子さんは飛騨方言を全くご存知ない都会の娘さんですが、 ご縁があって最近、飛騨に嫁がれました。 そしてご主人・飛騨山佐七宅は姑さんはじめ皆さん、東京語が話せません。 姑の美知代さんがある日、花子さんに
おりゃ今まで台所でまわしをしとったけど、はやあしたからあんたに頼むさ。 あんたみたいな立派なお嫁さんならまわしも簡単やろ。

自分のたあけ息子ほめてもしゃあないけどえな、おりゃあの子が あんたみたいな立派なお嫁さんみつけてきた事だげゃあ、 ほんとに感心しとるんやぜな。
とおっしゃいました。 思わず考え込んでしまう花子さん。
( ・・・ 飛騨の女性は、わたし、といわず、おれ、というし、 それに何ですって??! 飛騨では台所ではふんどしをして料理をするならわしなのね! うーん、知らなかったわ。 それじゃあまるでNHK連ドラのおでん君じゃないの。 とにかく、今場所から私が横綱・花子で、お母様は 引退して年寄株というわけですか ・・・ )
その夜、ご主人にその事を告げる花子さんですが、 まわし、というのは元々は根回し、という意味で、 これが転じて準備・支度、の意味だと聞かされほっとしたものの、 日中にしこを踏んでいた事だけはご主人に話す気持ちになれませんでした。 でも花子さん、ふんどしを縫うまわしまではしなくてよかったわという事のようです。 明日の台所では、花子さんはきっとおでんの準備でしょう。 以上、たまにはしこをしこたま踏むのも健康に良いしこや(=良いそうだ)、の事件でした。

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