大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

国立国会図書館デジタルコレクション

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私:今日は華麗なる国立国会図書館デジタルコレクションの世界へようこそ、というお話を。ちなみに url の ndl は national digital library の略である事は書かずもがな。
君:ほほほ、とうとう手前の資料でネタが尽きたのね。
私:ぶふっ、馬鹿な事を言いなさんな。途中のブランクがあったものの、15年に渡って二千頁以上書き続けてきたが実は飛騨方言の研究は始まったばかり。次々と見つかる古書、ネット資料、つまりは僕の飛騨方言研究はまだ終わりが見えない。それに僕は医者だ。そちらの調べものが方言以上に忙しい。早速だが飛騨の女たち・江馬三枝子著・三国書房が目に留まった。全頁が閲覧可能、飛騨方言のオンパレードで超一級資料とも言うべきだが、本書は国語の資料ではなく、民俗学資料。戦前の飛騨地方の悲惨な生活実態が実にリアルに描かれている。読んでいて次第に気持ちが悪くなっていったよ。
君:つまりは読了していないのね。
私:そういう事。僕の家は代々が農林業で仏壇の過去帳や墓石の墓碑銘などから判断するに旧家ではあったようだが、どう考えても庄屋じゃなかったし、祖父が幼少期に住んだ家の古いセピアの写真も脳裏に焼き付いているが、まるで掘っ立て小屋、つまりはザ・貧乏。家にあるものと言えば、つまりは家族愛(i.e., invaluable and priceless)ぐらいだけだったんだろうなぁ、という事がその写真から想像できる。私の江戸時代のご先祖様ともなるともっと苦労なさっていたのだろうな、という事が江馬三枝子女史の書から伺い知る事ができる。
君:飛騨のご出身?
私:早速にネット検索したが、1903−1983 北海道出身。旧姓は富田ミサホ。昭和時代の民俗学研究者。プロレタリア文学作家・江馬修と結婚。昭和9年に思想弾圧をさけて夫の故郷・岐阜県高山に移住。柳田國男に師事し雑誌「ひだびと」を創刊、白川郷を調査し紹介した。著作に「飛騨の女たち」等。つまりは長く高山市にお住まいになった。私の書斎には女史が記した日本の民話15「飛騨の民話」未来社の蔵書がある。飛騨の民話がさっと百以上も紹介されている。こちらは飛騨地方の村々の語り部の口述筆記なので、こちらこそ飛騨方言のオンパレードの書だね。内容についてはいずれ順次、紹介しようと思っている。
君:あなた、民話や民俗学もお好きで意外とナイーブなのね。
私:そうだね。もうひとつの蔵書が日本農書全集第二十四巻・農具揃・大坪二市・著。古書だがなんとか手に入れた。内容は江戸時代の飛騨の農業についてだが、これを読むと江戸時代の農具の語彙の勉強になるが、実際にどのように農民が生活していたかが手に取るようにわかる。
君:いろいろ変わった本が好きなのね。
私:かもね。でも、オートバイの雑誌も読むし、京アニは好きだし。
君:手あたり次第はよして、まずは飛騨方言のけりをつける事よ。

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