大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 方言学<

角川古語大辞典全五巻

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私:方言について、語源、つまりは言葉の変遷を考えるに際しては最低限に必要なのが辞典各種だが、先ほど、大変な事を知ってしまったよ。
君:あなたにとっては、という意味ね。
私:今年の古書収集の最大の収穫が角川古語大辞典全五巻なのだが、定価が175,000円(全5巻)+税、然もどうやらこれはオンデマンドで印刷して納品されるというとんでもない出版物のようだね。JapanKnowledge というネット情報配信サービスもあるが、さらに高額。一般的にはカーリル等、公共図書館情報から所有する図書館を割り出し、暇を作って図書館を訪れるというのが無難な選択になる。ただし、古書で比較的安価に手に入れば、という事でネットの古書店情報を数か月ほどチェックし、ようやく手に入れたんだ。
君:それがどうかしたの。
私:全五巻である事は知る人は知っている。人情としては全五巻をすべて取り寄せたい。人気漫画のシリーズものでもマニアなら必ず全巻を揃えるでしょう。
君:そりゃそうよね。
私:ところが、ネットの古書店情報を検索していて不思議で仕方なかった事がひとつだけあった。そして、その謎が、先ほど解けた。
君:謎とは。
私:全五巻だが、これが各巻かバラバラに出品されているんだよ。古書だからどなたかが手放された辞典。それがバラバラで出てくる事が不思議で仕方なかった。どうして手放すならば全五巻を一度に手放さないのだろう。
君:実は各巻は年余に渡り、別々に出版されていたという事だったのね。
私:その通り。日本語の歴史の通り。
君:1982-99。つまりは17年かかって遂に全五巻の執筆が完成、遂に揃ったという事なのね。
私:その通り。前にも後にもこんな古語辞典は無い。今後、二度とこの手の大辞典が出版される事は無いだろう。つまり角川古語大辞典は古典のバイブルだ。今、目の前にあって自由に読ませていただいているが、多くの研究者の大変なご努力があって刊行された事を知って感謝しきれない気持ちだ。
君:明治書院現代日本語方言大辞典全九巻も手に入れたのね。こちらは1992-4で、つまりは三年で完成しているから比較的、容易に手に入れやすかったでしょ。
私:ああ、全巻揃ったものが出品されているという意味では、比較的、容易に手に入れる事が出来た。ただし、帯には17年に及ぶ現地調査、語数20万と書かれているのでこちらも感謝の言葉が見つからない。
君:角川古語は全五巻の出版に17年、明治書院日本語方言大辞典は調査に17年、偶然の一致ね。
私:僕の場合、2004あたりに方言に興味を持ち3年ほどサイトを運営した。その後、一時中断。2019末に知っての通り或るきっかけで再開し、その後は毎日のように更新するようになり、気が付けばあっという間に一年半経った。つまりは僕の方言独学歴も通算で五年ほどになろうか。実は常に進化し続ける飛騨方言、飛騨新方言、飛騨ネオ方言の存在にも気づいているので、もうしばらく方言学をかじってみようと思う。国語学会編・国語学大辞典初版も先般、手に入れ読み始めたが、実は・・
君:何?
私:なんと誤植を発見した。よしてくれ。でも昔から、これが大好きだったんだ。性格悪いな、俺。変しい変しいA子様、お天気ですか。僕も天気です。
君:ほほほ、青い山脈ね。辞典の件に関しては言わぬが花よ。そんなことを自慢したら自分の値打ちを下げるだけよ。

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