大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

からしからかす・かりからかす

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私:飛騨方言の文末詞「からかす」は「〜しまくる」という強意の意味で、前項動詞連用形と合体し複合動詞になっている事を昨日に述べた。ここ
君:語源的には古語の自ラ四「かる駆」を二回、重複して使ったらしいという主張だったわね。「(からむ/と/し)からむ/と/す」
私:僕にはどうにも、そうとしか考えられない。「見てみる」と同じ発想で出来た文末詞ではないだろうか。
君:表題の「からしからかす」は「枯れさせまくる」という意味で、「かりからかす」は「借りまくる」という意味ね。
私:そうなんだよ。「からしからかす」は「カラスが辛子をカラカラにからしからかす」など表現すると面白味が増すだろうかね。
君:いいえ、全然、面白くありません。
私:手厳しいな。「かりからかす」は「お金と言うものは仮にもかりからかしてはだしかん(=だめだ)」はどうだろう。
君:それも全然、面白くないわね。
私:「からかす」は必ず前項動詞が連用形でなくてはならないので、うまくいかないな。ではこんなのはどう。「枯らす」を飛騨方言では「枯らかす」とも言う。だから「折から枯らかすはめになった」とか「それから枯らかす事になってしまった」とか。
君:残念ながら、全然、笑えないわよ。漫才の人達はそうやって一生懸命に小ネタを考えていらっしゃるのよね。
私:「だから心から枯らかしてしまった才能」かな、俺。
君:その通り。
私:手詰まりだな。作戦を変えよう。「〜かる」という動詞となると、「かかる」があるね。「引っかかりからかす」とか。「叱る」があったな、「叱りからかす」とか、どう?
君:それを言うなら「ラジカルに叱りからかす」はどうかしら。
私:おっ、いいね。「ミュージカルでラジカルに叱りからかす」とか。
君:「光る」があるわよ。
私:うん。「エコノミカルなLEDがコミカルでリズミカルに光りからかす」はどう。
君:うーん、全然、面白くないわ。
私:「マラカスを振りからかす」はどう?
君:そういえばベネズエラ共和国の首都が「カラカス」だわよ。
私:では、「ベネズエラの首都・カラカスでマラカスを振りからかす」はどう?
君:やっと笑えたわよ。お馬鹿さん。ほほほ

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