この言葉は、飛騨方言を知らない方には、相当にはげしい言葉、きつい言葉に感ぜられるでしょう。
人間も我慢に限界がきますと、ついつい、あんなやつは男じゃない、とか、堪忍袋の緒が切れますと、
あいつは人間じゃない、などと口に出してしまいます。おおこわい。
ところが表題の飛騨方言ですが、一郎おじさんなんてくだらない人は僕はちっともおじさんだなんて思っていません、
ぼくの心の中ではあのひとは他人です、という意味では決してありません。
実は、飛騨方言では、長男は、あに、といい、
次男以下の男兄弟は皆、おじ(ぼうず)、というのです。
つまりは、男兄弟でおじではない人間、といえば、ただ一人、長男(=飛騨方言・あに)、以外にありません。
ですから、表題の飛騨方言を訳しますと、いちろうおじさんは長男です、という意味でした。
しゃみしゃっきり。
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