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2002年03月29日(金) そんなん通じませんてば、
に「でーれれー」と「でーらちぃ」の紹介がありました。
前者は"どえらい"+"えらい"の連語で、どえらくえらい、つまりは、
とても体が疲れる、あるいは、とても身分が高い、という意味です。
また後者は"どえらい"+"あつい"の連語で、どえらくあつい、つまりは、
とても暑い、とても厚い、等々の意味ですね。
あるいはこうも考えられるのです。
飛騨方言で形容詞の連用形活用と言えばウ音便です。
つまりは、"どえろう"+"えらい"の連語で、どえろうえらい、という語の
真ん中部分・ろうえら、の部分が連母音融合・れれ、に変化したものと言うわけです。
でーらちぃ、にして然り、
"どえろう"+"あつい"の連語で、"どえろうあつい"、という語の
真ん中部分・ろうあつ、の部分が連母音融合・らち、に変化したという次第です。
つまりは、(1)どえらい、ひどい、すごい、等々の程度を表す形容詞の連用形と
(2)それに続くもうひとつのア行( <=実はここが味噌! )で始まる形容詞、この
ふたつの形容詞の連語・(1)+(2)、の場合は飛騨方言に於いては
連母音融合が生じやすいという事がこの言葉遊びの本質です。
言い換えましょう、
飛騨方言では、形容詞連用形ウ音便+ア行で始まる形容詞、の連母音融合がある
というのが結論です。
別稿・飛騨方言における連母音融合も参考にどうぞ。
ここまで解説しますと後は応用問題は幾らでも作れますね。例えば
どえらく赤い−>でーれけえ高山の中橋
どえらく痛い−>でーれてえ予防注射
どえらくうまい−>でーれめえ缶ビールでらうま
どえらくえらい−>でーれれえ部活の練習
どえらく遅い−>でーれぉせえ高山線の鈍行
ひどく赤い−>ひでーけえ高山の中橋
ひどく痛い−>ひでーてえ予防注射
ひどくうまい−>ひでーめえ缶ビールでらうま
ひどくえらい−>ひでーれえ部活の練習
ひどく遅い−>ひでーぉせえ高山線の鈍行
すごく赤い−>すげーけえ高山の中橋
すごく 痛い−>すげーてえ予防注射
すごくうまい−>すげーめえ缶ビールでらうま
すごくえらい−>すげーれえ部活の練習
すごく遅い−>すげーぉせえ高山線の鈍行
上記の文例ですが、飛騨方言のセンスに立派にあっています。
また内省しても声に出しても実に言い易いですね。
やはり私が飛騨出身だからなのでしょうね。
そういえば私ですが、ひでーめえ、すげーめえ、としょっちゅう
言っていますね、うん。