大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

飛騨方言における連母音融合

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飛騨方言の音韻上の特徴として、連母音融合があげられます。 例えば
★ "ai"−>"e:" 
  ない−>ねえ 高い−>たけえ
★ "oi"−>"we:"−>"e:"
  凄い−>すげえ 恐い−>こええ 良い(よい)−>ええ
などです。 さらには以下のような連母音融合("ai"−>"e")があります。 早口で話す時の傾向でしょう。

●動詞の連母音融合("ai"−>"e")
  動詞連用形+希求の助動詞・たい+格助詞・の
−>動詞連用形+たいん
−>動詞連用形+てん
例としては、書きたいのだろう、という共通語の意味で、書きたいのやろ−>書きたいんやろ−>書きてんやろ
●形容詞の連母音融合("ai"−>"e")
(ア列音+い)の二語で終了する形容詞の連体形+格助詞・の+指定の助動詞・だ
−>形容詞連体形+んや
−>形容詞連体形の連母音融合変化+んや
例、
 あかいのだ−> あかいんや−> あけんや
 あさいのだ−> あさいんや−> あせんや
 いたいのだ−> いたいんや−> いてんや
きたないのだ−>きたないんや−>きたねんや
 あまいのだ−> あまいんや−> あめんや
 はやいのだ−> はやいんや−> はえんや
 からいのだ−> からいんや−> かれんや
 こわいのだ−> こわいんや−> こえんや
筆者は"〜あい"、"〜はい"で終了する形容詞が思い浮かべられません。
形容詞連用形ウ音便+ア行で始まる形容詞

●名詞の場合("ai"−>"ai")
例えば、"退院や。(=〜です。)"、は飛騨方言でも、たいいんや、と明瞭に発音に発音されます。飛騨方言とてバレンタインは決してバレンテンにはなりません。

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