大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

飛騨方言における副詞

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飛騨方言とて日本語ですから、共通語の副詞は全て飛騨方言の副詞といえなくもないでしょう。 がしかし、そのような用法は何か改まった感じ、かしこまった感じで使われ、日常会話でつい発せられる 言い回しとは違います。そういう言い回しならまかせとけ、以下に列挙します。

一部の言い回しは文節の吟味、品詞分解をすると副詞にはなりません。副詞句、副詞文とでもいえば より正確ということになりましょう。がしかし品詞分解はあえてしません。誰もが乳幼児期に品詞分解をして 言葉を覚えたわけではありません、ひびきで覚えたのでしょう。では飛騨方言のひびきを。。。共通語に対する飛騨方言を段を下げて記載しています。

状態の副詞
(1)時
 やがて
  そのうちにえな、ちょっとしたらえな、
  そうせりゃよ、そせりゃよ、そせりゃ、そんでからえな、
 たまたま
  たまたまえな、
 すぐ
  すんと、
 まだ
  まんだ
 しばらく
  ちょっとも、ちょうっとも

(2)数量
 ちょっと
  ちょうっと、ちょっこし、ちびっと、ちびいっと
 たんと
  ぎょうさん、たあんと

(3)程度
 はなはだ
  どえらい、たいものう、
 かなり
  かなり、
 ずっと
  ずうっと、
 もっとも
  いっちばん、
 よほど
  たいものう、

(4)状況 
 あらかじめ
  まえからえな、
 かねて
  むかしっから
 とうとう
  とうとう
 ひたすら
  むてんに、むてんね

判断を表現する語に呼応する副詞
(1)仮定
 もし
  もし、そしゃ、そしゃよ
 たとい
  たとえ

(2)推量
 まさか
  まさか
 けだし
  まるでよ、まるでよう、まるでえな
 おそらく
  たいてい
 さぞ
  そんなようね、そんなやね、そのやね、
  そうやさ、そやさ、そや
 あるいは
  そんでもよ、もしかせりゃ、もしかせりゃよ
  もしかなあ、

(3)願望
 いかで
  どうせりゃ、どせりゃ
 なにとぞ
  たのむで、たのむでえな、たのむでよ
 どうか
  どうかえな、どうでもえな、なんででもえな、
  なんとかしてえな、なんとかえな
 どうぞ
  たのむでえな、どうでもえな、なんとかえな
 ぜひ
  たのむでえな、どうでもえな、なんとかえな

(4)疑問
 あに
  やっぱり、やっぱ、やっぱなあ
 いずくんぞ
  なんでじゃよ、なんでやい、なんでや、なんじゃって
 いかで
  どうやって、どやって、どうせりゃ、どせりゃ
 なんで
  なんじゃしらんが、なんやらしらんが、なんやしらんが

(5)否定
 ゆめゆめ
  ぜったい、いくらなんでも
 決して
  ぜったいに、
 絶えて
  ちょっとも、ちょうっとも
 断じて
  ぜったいに、
 さらさら、 
  ちょっとも、ちょうっとも

(6)断定
 かならず
  かならず、
 もちろん
  もちろん

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