大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 音韻学

いなだく(=いただく、頂戴する)

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私:共通語「いただく」には、大きくは二つの意味があると思う。雪をいただく(かぶる)富士山。いただきもの(頂戴もの、もらうの謙譲語)。飛騨方言では、もらうの謙譲語の意味で更に音韻変化して、いなだく、という事がある。
君:供物はいなだいていただきましょう、などというわね。オバンギャグよ。
私:ははは、うやうやしく仏様に感謝していただきましょう、の意味だな。ところで学校給食の唱和だが、子供の頃を思い出してごらん。「いただきます」「いただきました」と言わなかったかい。
君:あまり覚えが無いわ。
私:全国的に「ごちそうさまでした」と言う。静岡、長野、飛騨、等、ごく一部の地方では「ごちそうさまでした」の意味で「いただきました」と言うんだ。ご家庭での言葉遣いがそうであるし、学校給食の場でもそうなので、これが気づかない方言になっている事は知っていて損はない。
君:「ご馳走様でした」を使うのが無難ね。
私:いやいや、飛騨に生まれ育った人が飛騨で「いただきました」を使う分に何ら問題は無い。
君:違うわ。長野や静岡で使っても問題無いわよ。ほほほ

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