大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

飛騨方言における単音化、短呼化

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飛騨方言には各地の方言と同じく、若干の連母音が あることを触れましたが、実際には、更に連母音の単音化、短呼化が進み、極力つめて話される事 がむしろ多いように思います。飛騨方言には母音は五つしかないと感じる方も多いでしょう。

さて単音化、短呼化の例ですが、
音の種類 共通語        飛騨方言連母音  飛騨方言単音、短呼
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2音単音 おまえのところ    おめぇえんどこ  おめんどこ
2音単音 おしえてくれ     おせぇえてくりょ おせてくりょ

1音長音 がっこうにいきます   (存在せず)  がっこにいくさ
1音長音 そうだなあ       (存在せず)  そやな
1音長音 そうかな        (存在せず)  そがな
1音長音 そうすれば       (存在せず)  そせりゃ

2音単音 行っている       (存在せず)  行っとる
2音単音 混んでいる       (存在せず)  混んどる
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なとがパッと思い浮かびます。

飛騨方言では何でもかんでも連母音化、単音化、短呼化 されるというわけではなく、例えば、赤い橋、をあけぇーはし、とは言いません。 また、飛騨の人が急いで早口で話すときに、
なんや!あのあけぇ、たけぇ、なげぇ橋ゃ(赤い、高い、長い橋)
いてっ!(痛い!)
などと言いますが、飛騨方言に特有でもなんでもなく、日本人の舌という事でしょう。 また、飛騨の人が感嘆の意味でことさら長く発音する事もありますので、
なんやぁあ!あのあけぇー、たけぇー、なげぇー橋ゃあ
(とても赤い、とても高い、とても長い橋)
いてぇーっ!(いたーいっ!)
などとも言いましょう。

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