大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

あわら

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私:飛騨方言の多義語・あわら、これは三つの意味を持つ。じめじめした湿地・沼地、水の無い沼、深泥の田。
君:イメージは三者に共通するわね。三つとは言え、とんでもなく違った意味ではないわよ。
私:それを言っては議論が成り立ちません。まずは音韻だが、語源は、形クあはし淡+はら原、じゃないかな。これがハ行転呼でアワラになったのだと思う。つまりは三拍品詞で音韻が固定したのが平安以降かな。他の説としては、あし悪+はら原。この場合は二拍目の脱落。
君:単なる思い付きね。古語辞典には豊芦原の記載が有るだけよ。
私:その辺りは僕も譲らざるを得ないね。それに、あわら、はアーラに実は音韻変化している。蛇足ながら、飛騨の音韻・アーラは「あわら・あいつら」の多義語にもなっている。
君:大雑把に考えてください、という意味ね。
私:そう言う事。直感重視。意味としては湿地から始まって、やや乾いた沼、そして田として開墾といったように意味が広がったに違いない。
君:発想が一般的な言葉だから飛騨の俚言ではないわね。
私:その通り。話される地方は少ないが、全国共通方言。一面に水の湧き出るところ(長野県東筑摩郡)、不毛の地(静岡県富士郡)が加わり、全国的には五つの意味になる。
君:おっと富士の不毛の地となると、水が無く枯れてしまっている所の意味ね。ほほほ

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