大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

あおる

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私:動ラ五「あおる」だが、飛騨方言の多義語で複数の意味を持つ(団扇で火気を強くする、扇動する、酒を一気に飲む、堂々と向こうを張る)。
君:共通語との違い、つまりは飛騨方言たる所以は「堂々と向こうを張る」の意味があるからなのよね。
私:うん。自説を固持して周囲を圧倒する、という意味なので自動詞。その他の意味は共通語の意味と同じで他動詞。古語辞典や国語辞典をみたが、共通語では自ラ四あおる(風に吹かれて翻る)があるのみ。そもそもが、この際は共通語・飛騨方言関係なしに日本語としてどのようにとらえるかという問題になるが、どう考えても他動詞であるところの「あおる」が音韻変化せずに自動詞の意味が加わったというのが意味不可解。大言海にはアフグ(扇)の自動詞化との説が記載されている。
君:要約してあげるわ。つまりは飛騨方言では他動詞では共通語と同じで、自動詞では別の意味。これまた不可解よね。
私:要はそういう事。
君:それでも対語の自他対「しずまる・しずめる」は共通語と飛騨方言は同じね。 ほほほ

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