カ行四段・おく、ですが、重要点がみっつあります。
また別稿・おいでまう、もご参考までに。
ひとつは、共通語では専ら、置く、の意味で用いられましょうが、
飛騨方言では、置く・中止する、の同音異アクセント異義語の動詞です。
ふたつめですが、共通語のワ行五段・置く、は平板ニ拍であるのに対して、
飛騨方言カ行四段・おく、は連用形のアクセントが頭高に
なる事が多いのです。
また、置く、の意味では平板ニ拍、やめる、の意味では尾高ニ拍
で実は活用しているのでしょう。
みっつめですが、飛騨方言カ行四段・おく、の連用形のアクセントは
実は平板になる事もあり、この場合は、置く、と言う意味に
限定されます。
文例ですが
意味
おかん○●●。 置かない。
おかん○▼○。 やめない。
おいた▼○○。 置いた。やめた。
おいた○●●。 置いた。
おいた○▼○ 老いた
おく○●。 置く。
おく○▼。 やめる。
おくと○●● 置くと
おくと○▼○ やめると
おけ○▼ 置きなさい やめなさい
お察しの良い方には書くまでも無い事、
上記の表からもはや明らかです。
同音異義語であるにもかかわらず、
アクセントの使いわけで意味の混同など
生ずる訳もなく、連用形頭高アクセントは
飛騨人の発明の可能性がありましょう。