ぼっか(歩荷)、は死語に近いと思いますが、広辞苑にあり、飛騨俚言ではないようです。
明治時代ころまで、山々で囲まれた飛騨の山中を
背中に飛騨以外の地域の沢山の商品を背負い、運んだ職業をいいます。
ただしぼっか(歩荷)に職業人を示す接尾語・さ(=様、さん、の意味)をつけて、
ぼっかさ、といえば飛騨俚言になります。
(職業)さ(あ)・飛騨方言をご参考までに。
あるいは山があろうが、谷があろうが、最も近い直線的最短コースを歩く事が交通路としての原則であった時代、
重い荷物を運ぶたいへんな重労働の仕事であったわけです。
木枠でできた、せいこ(背負子)、せいた(背負板)ということばがありますが、俚言と考えられます。
また、富山のブリを飛騨を通ってはるばる信州まで運んだブリ街道など、運ばれる品物によっては
道も特別な名前があったのでした。
現在、歩荷業は北アルプスではヘリ輸送に変わり、
環境保護法により他の郵送手段が禁じられている
尾瀬の尾瀬ヶ原地区のみのようです。
更には牛首山と飛騨のドシマ記事によりますと
大正期まで歩荷と同様に重要な山道の輸送手段がどしま(牛方、度市参屋(ドシマヤ)六度三度の市に参るの略)でした。
あるいは平坦道の輸送手段は主に馬で、馬車引きという職業名で呼ばれ戦後も活躍していました。
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