大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

尊敬語の命令形・ござい

戻る

奥村三雄編・増補改定岐阜県方言の研究、大衆書房の 抜書きを飛騨方言の敬語の命令形 にお示ししました。 追加ですが、土田吉左衛門・著、飛騨のことば、に 、ござい、が記載されていました。 意味は、ござりなされ、と言う事で、 さらには方言文末詞・えな、あるいは方言文末詞・の、を「ござい」に接続させると丁寧さが増すようです。 ございえな、ございの、という訳ですが、 内省しても飛騨方言のセンスに合います。

ただし大西村では使われない言い回しでは ないでしょうか。飛騨は広い、あるいは飛騨の 他の地域では使われているのでしょうね。 筆者がそのように確信する根拠を お示ししましょう。 松じいと語っていかさいの。 というひだ弁コーナーをご覧ください。 松じいと語っていきなさい、という命令文です。 筆者がこのサイトを知ったのは確か一年ほど前だった のですが、実は、いかさいの、との言い回しが 筆者にはピンとこず人知れず悩んでいたのでした。 がしかし、そこは現金なもので、上記書・飛騨のことば、 に、ございの、が記載されている事に気付いた瞬間に 思い出したのが、松じいと語っていかさいの。 というネット販売情報というわけです。

こうなれば後は簡単です。動詞語幹+さい、とすればよい 訳ですから、以下の通りになりましょう。 二拍の上一動詞は、〜らさい、となる事は書かずもがな。 語幹が母音で終わる母音語幹動詞だからですね。
四段 書く  かかさい かかさいえな かかさいの
   刈る  からさい からさいえな からさいの
上一 切る  きらさい きらさいえな きらさいの
   おいる おいさい おいさいえな おいさいの
   おきる おきさい えきさいえな おきさいの
   すぎる すぎさい すぎさいえな すぎさいの
   とじる とじさい とじさいえな とじさいの
   おちる おちさい おちさいえな おちさいの
   あびる あびさい あびさいえな あびさいの
   しみる しみさい しみさいえな しみさいの
   おりる おりさい おりさいえな おりさいの
下一 寝る  ねらさい ねらさいえな ねらさいの
   せく  せかさい せかさいえな せかさいの
カ変 来る  きんさい きんさいえな きんさいの
サ変 せる  せんさい せんさいえな せんさいの
       しんさい しんさいえな しんさいの
 

ページ先頭に戻る