飛騨方言の副詞で、わざわざ、の意味です。
古語辞典に、名詞・やくやく、副詞・やくやくと、がありますが、
やくやく・役役。名詞、それぞれ受け持ちの役目。
おのおのの役。例文・西鶴。
やくやくと・役役と。副詞。同じく副詞
やくと・役と(もっぱら。それだけを仕事に。例文・今昔)に同じ。
例文・宇治拾遺。
つまりは飛騨方言・やくやく、は古語・やくやくと、が語源でしょう。
例文ですが、
やくやくハンコ押さんでも、名前だけでえんやさ。
(=わざわざ押印しなくても、署名だけてよいのです。)
つまりは飛騨方言には、古語の名詞・やくやく役役、の意味は
もはやありません。
飛騨方言・やくやく、のアクセントは頭高▼○○○です。
これは四拍語の畳語で副詞になった言葉の
日本語アクセント則、つまり元の語が頭高の場合は頭高になる、に当てはまります。
つまりは、飛騨方言・やくやく、の祖語は、飛騨方言やくと▼○○
でもあるからです。
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