大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

ばんどり・飛騨方言

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ばんどり、とは藁・シナの樹皮を材料に作られる雨合羽の一種です。 詳しくは高山市公式サイト記事・江名子バンドリ をどうぞ。百聞は一見にしかず、飛騨を旅される方は飛騨センターをご訪問ください、 多分展示してあるはず。

飛騨方言サイトの真骨頂ですが、地名・江名子、単体のアクセント核は、え、です。 ところがこれが地名を表す形容詞になりますと、アクセント核は、こ、に移ります。 また、ばんどり、ですが、アクセント核は、どちらかというと、り、です。 時により、ば、の事もあるのです。 例えば、江名子ばんどり、の江名子の コーパスサブ解析、は、こ、がアクセント核で、全体としては、ば、が アクセント核のようです(informant 実はたったさっきの電話口の小生の母)。

ところで、ばんどり、といえば実は飛騨方言ではムササビも示す言葉です。 ムササビがパアッと空を舞う様(さま)に似た雨合羽という事でバンドリ。 語源ですが、そりゃもう、晩に飛ぶ鳥で決まりでしょう。 ムササビは夜行性です。 そしてふくろう以外の鳥は夜はお寝んねです。 晩にバサバサッと空を飛ぶ鳥、それは実はムササビ。

また文化庁サイトにあります庄内のばんどりコレクション をご参考までに。 つまりはかつての日本の雨合羽・ばんどり、は全国どこの地方でも 作られていたという事なのですね。文化庁御用達・庄内ばんどりさん、おめでとうございます。 ばんどり、は一地方の方言というよりはむしろ共通語、とも 考えられます。

さて文化庁のいちおしばんどり、という事で晴れてアップロードされた 庄内ばんどりの画像ですが、飛騨のばんどりとは明らかに異なります。

つまりはきらびやか過ぎるのです。所詮庶民の生活道具・雨合羽、どうして 赤や青で装飾しないといけないのでしょうか。 さて飛騨地方ですが、高山市江名子(えなこ)町のばんどり、が江名子ばんどり、として有名で 上記高山市公式サイト記事の通りです。 私事で恐縮ですが、筆者の祖父・力三(明治生まれ)が雨の日も これを着て山へ仕事に行った事が思い出されます。何の装飾もなく、 実用本位のばんどりでした。 従って、 筆者の村と江名子村は峠隔てた隣村同士、祖父のばんどりは江名子製であったであろう事 は疑うべくもありません。結論はまとめに、
まとめ
不肖佐七が文化庁様へ公開質問いたします。 庄内のばんどり、これは実は(山形県庁様御用達の)観光グッズなのではありませんか? ばんどりは所詮は庶民の生活用具・雨合羽です。 ちゃぐちゃぐ馬っ子、等祭りならきらびやかな 色でおおいに結構、でも所詮は生活用具・雨合羽。 きらびやかな装飾に何の意味があるのでしょうか。

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