大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

飛騨方言・びい、の語源についてひとつの見方

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飛騨方言・びい(=女子)、の語源は「ひ」【婢】(はしため)です。身分の低い女の意にて召使の女、下女、女中、の意味ですが、古くは荘園に住まう奴隷の人々、ぬひ【奴婢】、の中の女性を示した言葉です。「びー」の音韻そのもの、および「びー」から派生した音韻。例えば 「びーた」「びった」等は女子を意味する方言として全国にあります。男の奴隷が「ぬ」【奴】ですが、この言葉は全国的に方言として使われる事は皆無に近いようです。不肖・佐七辞書・びいも参考までに。女性の卑称から始まった言葉ですが。敬意逓減の法則に反して、後世には良い意味で使用される地域が多いようです。ただし一部の地域では卑称・蔑称の意味で用いられているようです。飛騨方言には卑称・蔑称の意味は全くありません。ホーソーンの小説緋(ひ)文字、Scarlet Letter A、粗筋にご興味をもたれた方は岩波文庫(八木敏雄 訳)、新潮文庫(鈴木重吉 訳)をお読みになってください。英語タイトルの説明ですが、 scarlet (=緋(ひ)色、深紅、罪悪を象徴する色) letter (=文字) A(=adultery、姦通)という事で、珍説・びいの語源といえなくもないでしょう。

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