、を久しぶりに聞き、不肖佐七辞書に
記載していなかった事に気づかされたからです。
意味は、"あなたには以後あっていませんね。お久しぶりです。"では
ありません。以後、という意味は毛頭ありません。
そんなには、という意味なのです。いごあっとらん、とは、しょっちゅうは
会っていない、という事なのです。
問題は語源です。
帰宅してネット検索、字引き漁りをしましたが情報無し、
俚諺らしい事は感激ですが、となると一方、語源を
なんとしても自力で見つけねばなりません。
さて、今まで数々の飛騨俚諺について自分なりに納得のいく語源を
考え出してきた若干の経験が今回ばかりはものをいいました。
まずは発音です。といってもたった二拍の副詞・いご、
アクセントは前者であるから、やはり語源は
い+(何か訛ってしまって最終的に、ご、となった音)
としか考えようがありません。
また意味が分かっている以上、文例は何十通りでも作れますが、
ここはひとつ簡単に、食べられない、という文例でいきましょう。
つまりは、い+(カ行ではじまる数語)+たべれん、
という日本語の言い回しで、そんなには食べられない、という意味になる
言葉を思いついてやろうという大胆な試みです。
それでも数分、内省していて気づいたのが、いご、とは、
いくらも、という事。なるほどそうだったのか、
意外と速く思いついたぞ、幾らも食べれん。
つまりは
いくらも --> いくも (ラが脱落)
いくも --> いこう (延言)
いこう --> いこ (短呼化)
いこ --> いご (濁音化)
であろうというのが筆者なりの見解です。
私の舌がそうなってしまっていますので、
何度内省してみてもこの結論は変わりません。
私にとってはこの説は極めて真実味があるのですが、
果たして皆様がご納得してくださるやら。