大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

飛騨方言・かかれ、の語源に関する一考察(2)

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別稿に飛騨方言・かかれの語源について考察しています。 近隣県の同意語からの推察です。 本稿ではまた別の語源説を記載し、ひとつの見方をお示しします。 実は飛騨方言では上一段及び下一段動詞の命令形はエ列で活用し、オ列を用いません。 共通語では食べろ、といいますが、飛騨方言では一般的には、たべれ、といいます。 あるいは、たべよ、も用います。一言で言えば古語的、という事でしょう。 カ上一段動詞着る、の場合の命令形は、着れ、ないし、着よ、です。

言葉のお遊びという事で佐七節ですが、あんな使い古した茶碗など欠けてしまえ、 と言う意味では、共通語では欠けろ、ですが飛騨方言では欠けれ、です。

つまりは、飛騨方言・かかれ、は実は下一段動詞欠けるの命令形・欠けれ、 が訛った言葉の可能性があると言う事です。 四段ラ行動詞で読みがカカルの動詞と言えば、斯かる・掛かる・架かる、等々、 相当数があり、勿論その命令形はズバリ、かかれ、ですが どうにも意味が当てはまる動詞がありません。 一方、欠けろ、とは不完全にせよ、いいかげんにせよ、という事で まさに、飛騨方言に言う、かかれにせよ、に意味だけは 一致すると言う事で、あるいは、欠けるの命令形が語源かも、とフト思ったの でした。 勿論、本気で信じているわけではありませんが、 へーっこんな見方もあるのかと言う事でしゃみしゃっきり。

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