不肖佐七辞書・まちょうの
通りですが、この語にはさまざまな意味があります。
また語源を解説するネット情報は皆無に近いのですが、
実は和歌山県田辺市龍神村の方言に共通し、
従って、"まちょう"は古語が語源と考えられます。
早速に複数辞書に当りましたが、
筆者なりに、町衆(まちしゅう、まちしゅ)が
唯一つの語源候補ではないかと考えます。
町衆とは(1)町の人々、町内の人々(2)年寄り・五人組などの町役人(まちしゅ)
の意味があり、室町時代、京都、大阪などの都市で町を構成した
商業者、手工業者、酒屋・土倉、公家衆などを含み、
自治的集団生活を営んだ、とあります。
町衆に対する言葉が、飛騨方言・ざいごさ、です。
田舎者という意味ですが、在郷+様がもとの言葉でしょう。
町衆といえば、几帳面、器用、小器用、まめ、利口、利発、というイメージが
ぴったりですから、そのような人の性格をして、町衆のような人だ、あるいは、
まさに町衆そのものだ、という意味で使われて出来た言葉ではないかと推察します。
また逆に、ざいごさ、といえば、蔑視、侮蔑的に用いられる事が多く、
ずぼら、不器用、まぬけ、というイメージで用いられます。
つまりは、まちょう・ざいごさ、は飛騨方言における反対語であるというのが
筆者の主張です。
町衆以外の語源候補といえば、ウ音便の言葉であると考えると、"まちよう"が変化した言葉なのかもしれません。
勿論、"まちよう"自身も意味不明ですから、さらには何かの語が脱落して"まちよう"となったのかも知れません。
あるいは几帳面の言葉の"ちょう"が、"まちょう"と同一かもしれないと考えるならば、
几帳面>帳面>面帳>まちょう、と変化した、倒語・ざれ言葉の可能性もありますが、
あるいは完全に外れている可能性もありますね。
参考までに 飛騨方言・まちょう、と日葡辞書・物類称呼
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