大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

佐七の独り言・貴重な語り部

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ネットの公開情報ですから、特にお断りをしなくてもよいでしょう、本陣平野屋ブログというのがありまして、本名・有巣栄里子様を名乗っておみえです。毎晩、飛騨方言に関する情報検索をしていますと、ひょっこり彼女のブログがヒットするわけです。貴重な語り部。
(佐七は彼女の高山方言に惚れているわけでして、ご自身に惚れているわけではありません。有巣栄里子様・国民の皆様・うちのかあちゃんへ、くれぐれも誤解なさいませんように。)
そんな、たまたま偶然のお話を。

怠け者、と言う意味で、なまかもの、という言葉を日記に書いておみえです。なるほど飛騨方言ですね。共通語では、なまくら(名詞)、なまくらだ(形動)、あたりの言い回しがありますので、なまか、と言う言葉は、おや飛騨ことばかい、という事になるのでしょう。

まず結論ですが、実は、なまか、は、なまかは、のハ行転呼音・なまかわ、から一拍、脱落した言葉なのです。筆者などは、なまかわ、と言う言葉が瞬時に口に出るものですから、早速に調べる事にしました。先ほど、佐七辞書・なまかわを上梓した所ですが、いやあ、勉強になりました。

なまかわ(生皮)、が訛って、なまくら(鈍ら)、になったのではないようです。また逆も真、つまり、生皮・鈍ら、たまたま発音が似ているだけで独立した言葉だったようですね。道理で混乱が生ずる訳です、実は昨日までの私。

こうなったら両語の語源を徹底的に探ってやりましょう。手元の語源辞典類、古語辞典をまずは全部引きました。うぉーっ、辞書の山との乱闘、そして大爆笑にてゴング終了。

さて、なまくら、ですが、古語の、なまくらし、に由来するのでしょうね。なま、とは、なんとなく、という意味の接頭語です。つまりは、生暗し。ふふふ。意味としては、明々としていれば申し開きもできないけれど、薄暗くて視界が不良ならば、いくらでも言い訳できるから努力しなくてもよい、という意味のおぞくたい(=悪い)根性が、生暗し、って訳ですわ。おいおい。

古代に、生暗し、という言葉が生まれ、やがて、なまぐるし、なまけやし、(終にでたぞ、待ってた、ホイ)なまける、という言葉が生まれて来た事については、あまり説明の必要はないでしょうね。早い話が、意味は全くと言っていいほど変わっていません。

なまかわ・生皮、についてはどうでしょうね。これもなんとなく筆者は解りますが、肝腎の所が不明です。つまりは木の皮でしょうか、動物の皮でしょうか。木の皮なら桧皮の事でしょうか、どんな木でもよい単なる炊きつけの事しょうか。どちらにしてもなまの皮はいけませぬ、よく乾燥していないと。

動物の皮、となると筆者は想像もつきません。今度、また海外旅行した時にエルメスの本店で徹底的に聞いてみます。馬具職人がご先祖様のエルメスならきっと佐七が感激する薀蓄を聞かせてくださるでしょう。( かあちゃん、これで今日の記事、許して。 )
実は以上が前置きです。以下が本文です。

本文
方言の研究ではインフォーマントなる専門用語(意味は、ついポロリと方言を語ってくださる方のこと)があるようですが、要は「生粋の方言話者」の事ですね。 (Informant?!! Too pedantic, isn't it? It's the last word that the author will use. )

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