大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

ささっての語源

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飛騨方言では一昨日の事をささってといいます。 富山、飛騨、三重県の方言のようです。 堀井令以知、ことばの由来、岩波新書、2005年2刷、によりますと、 氏はささっての語源を再さって、共通語・しあさっての語源を四あさってと考えておみえです。 以上が前置きです。

なるほど、来週の次は再来週、来年の次は再来年です。 これは共通語も飛騨方言も変わりません。つまりはあさって、に再(さ)をつけた という訳です。お分かりですね、飛騨方言・ささって、は
さ+あさって>ささって
と単音化、短呼化した結果のようです。

ところで東京、西日本では"しあさって(四あさって)"という 感覚が筆者にはピンときません。 生まれも育ちも飛騨だからでしょう。 三日後なのに何故、四あさってなのでしょうか。 みあさって(三あさって)のほうがましだと思いませんか。 (えっ、思いませんか、やはり。 でも三重県の方なら絶対に思うはず。やはり県名だけにね、ははは。)

もっともねえ、エレベータの階の数え方ですけど、 地上階は一階で、四階は四階、 ところが英国、英国連邦諸国(カナダを除く)、ほとんどのヨーロッパ諸国、ホンコン、 では 地上階は ground floor、二階は 1st floor ですから、英国民がたは飛騨方言は理にかなっていると 思われるはずです。

以上が本当の前置きでいよいよ佐七節です。 昔々の飛騨人は
きょう・あしたり・あさって・ささって・(さささって??)
    一日後  二日後  三日後  四日後
というように使っていたのに、しあさって、という言葉を 耳にしてしまったその時代から、
なるほどささっての次の日を、 さ+ささって、つまり、さささって、というよりは、しあさって、 というほうが言いやすいし、飛騨以外の国ではささっての次の日を しあさって、といっているのかい!!いやあ知らなかった、ひとつ 勉強になった!!
と、とんでもない勘違いをしてしまって以後は突然に
きょう・あしたり・あさって・ささって・しあさって
    一日後  二日後  三日後  四日後   五日後
と使いわけるようになったんやさ。 堀井氏説を敷衍(ふえん)する限りは "ささって"を使っていた所へ、"しあさって"が輸入されてきたのです。 間違いありません。 (そして幻の飛騨方言・さささって、は消滅した。) しゃみしゃっきり。

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