大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

ふきのとう飛騨方言

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私:フキノトウはフキの若い花径。香気とほろ苦い味が喜ばれ、焼いたり、ふきみそ蕗味噌にして賞味される。旧字は、ふきのたう蕗ノ薹。異名としては、ふきのじい、ふきのしゅうとめ。季語は春。飛騨方言は、ふくだつ、ふうきぼぼ、ずきずきぼぼ、ふきぼぼ。
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君:共通語は複合名詞である事はよしとして、トウ薹の意味は?
私:漢字の問題といってもいいね。薹は18画だ。漢音でタイ、国訓でトウ。けし、ちさ、ふきなどの中心から出る茎の事。つまり薹は茎をしめす言葉。ただし、あぶらなを指すこともある。かまつりぐさ科の多年草・はますげを指すこともある。
君:では、その異名の語源は?
私:意味不明です。考えたくもありません。強いて言えば気まぐれからできた言葉。
君:ほほほ、では、飛騨方言の語源については?
私:こちらは一理ある。飛騨方言で、ぼぼ、は赤ちゃんの事。ずきずきぼぼ、は、ふきぼぼ、の音韻変化だろう。
君:なるほどね。でも、ふくだつ、の語源の説明にはなっていないでしょ。
私:そうだね。意味不明というしかないな。
君:本日はこれにて。
私:と言いたいところだが、方言学というか、民俗学的見地から一言。
君:どういう事?
私:柳田民俗学には一言も書かれていない、或る事実について。
君:どういう事?
私:柳田國男先生はとてもシャイな紳士だった。
君:?
私:ぼぼ、を女性器の意味にあてる地方は多い。方言学では知っておかねばならない語彙だが、飛騨方言には一切、そのような意味は無い。
君:つまりは飛騨では老若男女が自由に使える言葉という意味ね。
私:その通りです。
君:例えば若い女性が、その味噌和えを見て、あーれ美味しいフキボボ・食べたいな、というのもありね。
私:その通り。若い男性が若い女性に言うのもあり。
君:飛騨方言あるある。若い男女間でなくとも、しゅうと・しゅうとめの間でもあり、という事ね。ほほほ

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