全てネタばれの時代ですからあえて検索結果は示しませんが、
新古今・巻第十八・雑歌下・源通親、に
位山あとをたづねてのぼれども子をおもふ道になほ迷ひぬる
にある位山が実は唯一飛騨にちなんだ歌枕のようですね。
尚、位山は岐阜県高山市の宮村と萩原の間の山で官位に掛ける掛け詞の歌枕であり、
土御門天皇(歌を詠まれたのは土御門内大臣の時)
がわざわざ飛騨一ノ宮の位山に行幸遊ばされたわけでは
ありません。
歌枕といえば一般的には和歌にしばしば詠み込まれる
特定の名所、旧跡を示しますが、そのような場所は
飛騨にはゼロ、つまり佐七が泣けてまう言葉・歌枕、
トホホの位山です。
せめて土御門内大臣が実際に位山の麓でこの歌を詠んでいたらねえ、
一転してしびれてまう言葉になっていたはずなのに。
さて歌枕の元々の意味はといえば、和歌に詠み込まれる歌語
そのもの、またはそれを解説した手引書を示し、
歌題、枕詞、序詞などを含みます。
この和歌の場合はただ単に言葉遊び、ひっかけ、という事
で位山、のようです。
飛騨は古来、歌人が足運ぶ事もなかった漠たる高原だったという
事ですな。泣けてまうんやえな。しゃみしゃっきり。
参考
位山のイチイ
一位一刀彫(いちいいっとうぼり)
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