大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム しびれる言葉

福地化石館

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おそらくは読者の皆様は全国に及んでいらっしゃると思いますが、飛騨地方を訪れた事のないおかたもお見えでしょうね。飛騨地方といっても岐阜県の北半分でとにかく広大な地域です。高山市は実は面積が全国一位なのです。飛騨地方をぐるっと一周するにしても数日はかかります。飛騨全体が観光地といってもよく見所が満載ですが、中心・高山市の観光については「るるぶトラベル」などをご参考までに。今日は一風かわった旅のいざないです。テーマは太古のロマン。

船津花崗岩にお書きした通りですが、飛騨地方、特に神岡、は地質学的に大変に由緒の深い地域です。日本列島の歴史を一言で、世界がパンゲアといってたったひとつの大陸だったころに日本海の出現によりユーラシア大陸の一部が千切れて元祖の日本になったのが岐阜県の飛騨地方の神岡あたりでした。そして周りの海底だった場所が隆起し陸地になったり、火山活動で大きな山が出来たり、あまつさえフォッサマグマが出来て飛騨山脈が出来たり、太平洋プレートが押しに押してアルプス造山運動が起きたり、あれやこれや起きるのですが、太古には岐阜県飛騨市神岡町以外の地域は、日本列島広しと言えども、どこもかしこも海だったのです。つまり地質学的な日本の由来は高天原ではなく、神岡という島です。それでもいろんな事があって最終的に海底の隆起により今の形の日本になったのでした。

さて、本日のトピックスですが、福地というのは神岡のちょいと東側、奥飛騨温泉郷とも呼ばれる北アルプスの焼岳の麓に位置する谷合の村ですが、実は、ここに日本最古の化石、つまりは海の生き物の化石が出土するのです。つまりは日本で一番に古い地域が岐阜県の神岡町・船津ならば、その次に古いのが、かつては海であった神岡町・福地です。福地化石館に展示がありますので、ご興味ある方はどうぞ。蛇足ながら生命の歴史を紐解けば、シルル紀からオルドビス紀と言えば爆発的に生物の種類が増えた時代でしたっけ。

実は、ここまでが前置き、私のお勧め情報は福地温泉です。私がいつも宿泊するのは游(ゆう)。別名、不倫の宿とも呼ばれていまして、結構、有名です(汗)。私は勿論、家内としか宿泊した経験はありません。露天風呂からは目の前に焼岳が見えます。お勧めです。国語学より古いのが古典、それより古いのが方言学、もっと古いのが日本人のルーツを探る文化人類学、最も古いのが日本列島の歴史を考える地質学。ここで素朴な空想、日本語はアルタイ語族、つまりはユーラシア大陸の言葉、ならば神岡と福地のご先祖様がたが元祖日本人に違いない。飛騨地方は無数の縄文遺跡がありますが、また別の機会に。

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