大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

でこなる(=でかくなる)

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私:飛騨方言に自ラ五でこなる、がある。共通語では、でかくなる。つまりは、成長する・大きくなる、という意味。新飛騨方言といってもよい「でこなる」をキーワードに検索すると二つヒットする。でこなる横丁、正式名は、高山まちなか屋台村「でこなる横丁」、岐阜県高山市朝日町24番地(高山市民広場東側、居酒屋きのえね様 向かい)、とでこなる座、〒506-0011高山市本町3丁目38(イータウン飛騨高山内)との事。
君:飛騨方言は畿内方言と同じで、ク形容詞連用形はウ音便なのね。
私:その通り。「でこなる」は「でこうなる」の短呼化という訳だ。シク形容詞も連用形ウ音便になる。例えば、こりゃ・左七、わるさばっかしとらんで、おとなしょうしとれ(これ、左七や、悪さばかりしていないで、おとなしくしていなさい)。
君:五モーラ「でこうなる」が四モーラになったのには大切な理由があるわよね。
私:そう。言いやすさ。言語学で言うところの日本語の最小語条件。2モーラが最小語。最小語の倍数たる「でこなる」がシンボリック方言で接頭語になり、当然ながらアクセントは平板。自ラ五でこなる・でこうなる、の単体では「こ」にアクセントがある中高四(五)拍動詞。飛騨方言では、大きくなる、のかわりに、オーキョーナル、というし、小さくなる、の代わりに、チーソーナル、という事も多い。
君:コロナが収束に向かい、でこなる横丁も、でこなる座も、皆様が以前のように忙しょうなるのよね。ほほほ

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