大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

がんどう(=鋸のこぎり)

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私:「がんどう」と言えば鋸の中でも大きいもの。つまりは巨木の伐採用。全国共通方言にて、がんど・かんどー・がんどーのこ・がんどのこ、などに音韻変化している。
君:語源は古語というわけね。がうだう>がんだう。
私:音韻変化はその通り。意味も、と言いたいところだが、ちょっぴり悩ましい。ひな祭りも近い。まずは「がんどうち強盗打ち」をご一読あれ。
君:雛祭りの子供行事が強盗打ちは原義通りという事ね。隣家に押し入りお菓子を盗むという無礼講が許されるのは、日本版ハロウィーンという事で微笑ましいわね。ワイワイ騒いで討ち入る動作も「打ち」と音韻が会っているし。
私:問題は古語「がんだう」が「強盗・鋸」の二つの意味を持っている理由だが、僕にはさっぱりわからない。
君:「がんだう」と言えば歌舞伎の大道具・がんだう返し(=どんでん返し)も同類語だわ。
私:そう言えば浄瑠璃界の隠語としては、武士・侍、などの意味も持つ。「がんどう」は「がんどうちょうちん強盗提灯」の略でもある。
君:やはり「がんだう」は多義語ね。泥棒さんという意味は数ある意味の中のホンの一つ。
私:各々の言葉に、パッとして勇ましい、というような共通項があるんだろな。立派な、大きな鋸だから「がんだう」か。中央ではそのような意味にはならなかったが、全国各地の方言にそのような意味が生まれたのは、所謂、方言的発想というわけか。
君:つまりは飛騨のご先祖様がたに聞いてみなければわからない。ほほほ

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