大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
こわがる(=恐縮する、他) |
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私:こわい形クについては、ここ、要は多義語形容詞という事だが、恐縮する、という動詞は自サ変動詞なので、形容詞の意味の説明に動詞は如何なものかと思い、少し追加する事にした。共通語も飛騨方言も同じ文法だが、要は形容詞の語幹に接尾ラ五(四)がる、が接続して、形容詞が動詞に、つまり品詞の転生が生ずる。意味はそのまま同じのはずだが、手元の広辞苑第六版の、こわがる、の記載は、怖いと思う、恐ろしく思う、の二語のみ。 妻:辞書は限られたスペースなのだから、削りに削ってエッセンスだけが書かれているのよ。 私:だろうな。日国にて然り、こわいと思ってそれを態度にあらわす、しきりに恐れる、この二語だけだった。 妻:飛騨方言で十通りの形ク・こわい、だけれど、この十通りの意味を、こわがる、を用いて全て動詞の表現にできるかしらね。 私:ああ。造作もない事だ。文例をお披露目するのは大儀なことなので省略。がる、の語源は、くあり(く在)、つまり、く(ク活用形容詞連用形)+あり(動ラ変)。 妻:語源の話にしてはつまらない事ね。 私:逆引き辞典で、かる・がる、で終わる動詞を全部調べたが、形容詞連用形+あり、の言葉は全てが、がる、だった。かる、は一つもない。 妻:例えば? 私:おい、よしてくれよ。あやしがる、いたがる、おそろしがる、こわがる、等々、例外が無かったって言ってるんだから。 妻:連濁、ライマンの法則みたいな感じね。それにしても、ライマンの法則は例外が多すぎるけれど、そうではなかったという意味ね。おめでとう。ほほほ |
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