大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
ささって(=あさっての次の日)2 |
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私:飛騨方言ささっての語源について、続きを考えよう。 君:何か別の考えがあるのね? 私:ああ。方言学ではバイブルとでも呼ぶべき辞典がある。小学館日本方言大辞典全三巻。日本の方言資料のほとんどすべてを盛り込んだ内容。そこには見出しとして、さきあさって先明後日、があり、この項目にざあっと十幾つ、全国各地における音韻変化が記載されている。ささって、はそのひとつであり、資料が確認できる地域としては信濃・福井・岐阜・愛知県碧海郡・三重県阿山郡と志摩郡・鹿児島県種子島と宝島。宝島はトカラ列島の有人島では南端の島。 君:これらの地域って、地勢的なつながりが無いので、つまりは、ささって、は自然発生した言葉というわけね。 私:その通りです。これだけの資料を見せつけられると、さきあさって、が語源と考えざるを得ない。蛇足ながら、さき先、これは古語。時間的な意味に用い、基準となる時点に関して、その以前若しくは以後を示す。比較的近い辞典に関して言うのが普通で、一年前・一カ月前・一日前など、最低の単位を示していう事が多い。副詞化して、さつき、となる。さきあさって、は和語同士の合成語だし、意味的にもピッタリ。がはは 君:つまりは、さきあさつて・さつきあさつて、辺りが語源で、これが短呼化して、ささつて、になったのでは、と考えたいのよね。 私:その通り。さいあさって再明後日、と言う語源説は受け入れがたいね。 君:いずれにせよ、さきあさつて・さつきあさつて、これも古語辞典には存在しないのよね。つまりは真相は闇の中。 ほほほ |
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