大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

こんにゃく文、うなぎ文、人魚構文、モナリザ文、ねじれ文、埋め込み節、埋め込み文

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私:今日の主題に関して、印象をどうぞ。
君:その前に、各々の言葉の意味を簡単に説明してね。
私:うん。こんにゃく文は主題優勢言語(蒟蒻は太らない)、うなぎ文はその同意語(僕は鰻だ、僕の好物は鰻)、人魚構文は動詞述語文(イ形容詞述語文、ナ形容詞述語文)と名詞(述語文)とが合体して一つの文になった構文(角田太作)、モナリザ文は主述のねじれ(この絵の特徴は、どの角度から見ても 女性と目が合います)。こんにゃく、うなぎ、人魚は正しい日本語。モナリザは間違った日本語。
君:こんにゃくからねじれまでが外国人には伝わりにくい文章という事ね。モナリザ文は日本人にすら通じないという点で致命的な文章ね。
私:その通り。こんにゃく、うなぎ、人魚、モナリザ、ねじれ、何れも本質は埋め込み節、埋め込み文という日本語の特色を問う命題というわけだ。
君:つまりは全てが埋め込み問題ね。
私:まあ、そんなところでしょ。別の言葉とすれば、すべてが連用修飾の問題とも言える。他にも同類語はいくらでもある。例えば、係り受け、主語と述語関係、修飾語と被修飾語関係、整った文、文の組み立て、文の書き換え、伝わる文章、わかる国語、等々。
君:文章作法としては大切な問題だけれど、話し言葉ではついついやっちゃうわね。
私:そう。話し言葉とは自然言語の事。なんとなく意味が通れば会話・発表は成り立つが、文章ではいただけない、という事になる。
君:他ならぬこのサイト記事がそうよ。会話文だけれど、実は文章。
私:ははは、その通り。サイト記事がひとつ、目に留まり、精読してみた。自然言語処理勉強会@東京 統計的係り受け解析入門 日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所。
君:結論は?
私:結論は以下の通り。
・係り受け解析とは?
  単語の係り先を当てる問題
  構造を当てる問題なので,候補がたくさんあってタイヘン
・主な手法は2つの派閥
  局所最適だが大域素性のTransition-based
  大域最適だが局所素性のGraph-based
・2つの手法を紹介した
  Shift-Reduce法はスタックを使った方法
  Eisner法は動的計画法を使った方法

君:なんだか味気ないわ。
私:お言葉だな。確かに自然言語の記号論理式な解釈というものは味気が無いね。文脈が意味を規定するという概念が欠如しているし、文学作品にとって大切な要素は言外の意味。要は女心。
君:いやよ、やめて。
私:だからさあ、それってどういう意味?詳しく説明してくれ。
君:いやよ。
私:まあいいか。表題に戻るが、どうしてヘンテコ日本語でも意味が通るのか、理由はたったひとつだと思う。日本語の特質そのもの。
君:つまりはひと言で言いたいのね。
私:うん。日本語には英語やドイツ語のように疑問代名詞があるが、実は日本語には両外国語と違って関係代名詞が無い。
君:なるほどね。
私:それどころか、日本語には主語すらない。三上章
君:日本語にあるものは二つ、文脈と言外の意味、という事ね。ほほほ

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