大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

飛騨方言における反語

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動詞未然形に連語・ずもを付加すると〜するでしょうよ、という意味になります (例 食べずも(食べんとすも)。=>食べるでしょうよ。)。そしてこの言い方の応用として 反語表現があります。連語・すか、を動詞未然形に接続するのです。例えば
動詞 飛騨方言  対応する古語  意味
四段 行かすか。 行かんとすか。 行こうか、いや行かない。
上一 着すか。  着んとすか。  着ようか、いや着ない。
下一 寝すか。  寝んとすか。  寝ようか、いや寝ない。
カ変 こすか。  こんとすか。  こようか、いやこない。
サ変 せすか。  せんとすか。  しようか、しやしない。
別稿の飛騨方言の駄洒落アラスカ・ネブラスカ物語も 同じ反語の用法になります。 同じく別稿の書き下ろしふまんだ 【不満だ】 あかず(古語)、あかすか(飛騨方言) ですが、飽く( = 満足するという古語)ことがあるものか、いや満足しない、という意味で 同じ反語の用法になります。

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