★けなるい(形容詞)
古語・異(け)なり、に由来する言葉で専ら良い意味で用いられます。
"合格せらはったって、本当にけなるいわい。"といえば、合格なさったのですって本当に羨ましいですね、
という意味になります。飛騨方言における方言文末詞
をご参考までに、はまり言葉といえば、けなるいわい、になりますが、
けなるいさ、けなるいな、などもよく用いられるでしょう。
〜わい、という言い回しはどちらかと言えば男性及び年配女性の
言葉になりますが、逆に若い女性が使えばパンチの効いた言葉になって、グーです。
★けなるがる(動詞)
上記形容詞が四段動詞になったものです。
尤も命令形は使いようがありませんが、ははは。
★ええ(形容詞)
飛騨方言では形容詞・よいの変わりに、ええ、が用いられるでしょう。
それは良い事をしたなあ、といわなくも無いでしょうが
ややあらたまった感じです。
会話では、そりゃええことしたなあ、というのが普通でしょう。
★えがった(形容詞)
上記の過去表現です。よかった、の変わりです。
それはよかったなあ、といわなくも無いでしょうが、
そりゃえがったなあ、というほうが飛騨方言の雰囲気がでます。
★たいしたもんや(男性、形容詞)
飛騨方言では、たいしたものだ、とはいいませんね。
女性言葉は、えな・いな、を男性言葉に接続すればよいのです。
たいしたもんやえな、たいしたもんやいな、と言えばよいのですが、
アクセントが肝要です。〜●○、です。
そうでないと、たいしたもんやな、と変わりが無くなり中性的言い回し
になります。
え(い)、にアクセントの滝があると女性の表現という
飛騨方言の美学があるのです。
★たいもないごっちゃ(形容詞)
原義は、他愛も無い事だ、ですが、転じて何とも早大げさな事だ、です。不肖佐七辞書・たいもない
をご参考までに。ただし使い方を誤ると誤解に発展する可能性は
無きにしもあらず。相手のオーバーリアクションになんとも早あきれ果てるが
それでも内心は微笑ましくも嬉しくも思う、という場合に
用いるとよいでしょう。
★あーれ、うらやましい(形容詞)
飛騨人は、あーれ、という感動詞が大好きなのです。
あれこーわいさ(=あら恐縮します)、という言葉も
日常会話でよく用いられるでしょう。単に、うらやましい、としたのでは
飛騨方言のレッスンになりませんので悪しからず。
ところで実は、うらやましい、の語源は、裏がやましい、つまり
表とは顔であり裏とは人には見えない自分の裏・内面、と言う事で
例え顔は平静を装っても心はねたみ、そねみ、という意味で、
うらやまし、と言われたようです(古語辞典)。
現代語ではむしろよい意味の言葉ですが、平安文学では嫉妬に狂った人を
想像してくださいね、ははは。
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