大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
山笑う グラデーションにわる 野に及び |
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私:ちょいと春の俳句を考えてみた。季語も然ることながら、飛騨方言も必ずひと言入れて、というのが僕のこだわり。という事で、飛騨方言の自ラ五「にわる(=にぎわう)」。 君:簡単に説明お願いね。 私:落葉し閑寂としていた山に緑が戻ってきた。この緑の色がまことに千差万別、薄黄緑から濃い緑まで。野辺にまで及ぶ緑の色の変化がまことに賑やかだ、という意味。 君:うーん。言葉のお遊びなのだから、どうせなら 山笑う グラデーションにわう 野に及び にわう・にわる、共に飛騨方言よ。 私:なるほど、川柳同字折句(ドウジオリク)っぽいね。そうだ、こんなんもあるぞ。山笑ふ グラデーションにはふ 野に及ぶ 俳句(季語)+飛騨方言+文語。ぶっ 君:自ハ四にぎはふ賑、が語源なので、自ハ四にはふ(飛騨方言)も如何にも有り、という論法ね。 私:如何にも、とはお言葉だな。僕は確信しているんだよ。但し飛騨の俚言なので、成書の何処にも記載なし。つまりは言ったもの勝ち。佐七笑ふ さがいでにはふ 更なる語彙 君:意味不明ね。 私:いや、これは俳句ではない。川柳同字折句だ。左七は笑っている あれこれ言葉を探して賑わう 飛騨方言の更なる語彙情報。キーワードはサ行動詞連用形イ音便。飛騨方言の特徴。 君:探して、ではなく飛騨方言では、探いで、になるのね。 私:そう。接続助詞「て」が濁音化すると飛騨方言らしさがます。「さがいどる」は「さがしている」の意味。「でお」が「ど」になる。母音の脱落。更に飛騨方言っぽくする事もできるね。山笑っとる グラデーションにわっとる 野に及んどる 君:超字余り句につきアウトね。ほほほ |
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