大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
いいないた(=おっしゃった)2 |
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私:昨日は、いいないた(=おっしゃった)、という敬語表現動詞の活用は少しへんてこりんというお話をした。その理由について思いたあたる節がある。 君:あなたなりの屁理屈が思い浮かんだ、という意味ね。 私:勿論そうだが、飛騨方言では女性が使う尊敬の命令は、いいないよ(=いいなさいよ)。いいないた、はこれからきているのじゃないかな。いいないよ、は、単に、いいない(=いいなさい)、とも言う。共通語いいなさいよ、使う。但し男性はほとんど使わない。この表現は尊敬命令というよりは、尊敬依頼という表現だけれど。 君:つまりは他サ五・いいなる、は命令形が、いいない。つまり、これに引きずられて、いいなる、の連用形が、いいない、になったのでは、という論法かしら。 私:そう。他ラ五「いいなる」の連用形「いいなり」の、更にそのイ音便ではありませんよ、と言う意味だ。ラ行動詞なら連用形が促音便になる事は飛騨の人達は知っている。この動詞に限っては、連用形と命令形が同じなんだ。 君:あら、終止連体合一は良いとして、未然形はどうなるのかしら。 私:使わない。「いいないておられん」とか言って連用形でごまかすんだ。「いひならず」「いひなられぬ」はどうも飛騨方言のセンスにあわないね。 君:活用は、nul、いいない、いいなる、いいなる、いいなれ、いいない、という事になるのね。つまりは現代においても飛騨は四段活用なのよね。ほほほ |
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