大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

石見(いわみ)方言

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私:何はともあれ、動画をどうぞ。

君:前半を共通語で、後半を方言での宣誓。学校教育の一環よね。石見と言えば石見銀山の石見かしら。
私:うん。先ずはその辺のお話から。石見方言には当然ながら、もっと上位の分類も存在する。まずは西日本の方言である事。これが第一だ。そして山陰道なので中国方言に属する事。更には鳥取・島根の隣接県は方言も似通っているので雲伯方言という。島根県の西部の事を石見国(石州せきしゅう)といい、東部は出雲国。従って島根県西部の方言を石見方言という。これ以上の下位分類は無い。
君:広島、つまりは安芸方言のような感じよね。
私:島根県は東西に長い。石見と言えば、県内の松江や出雲よりも広島市や山口県萩に近いので、おっしゃる通り、石見方言はどちらかと言うと安芸方言だね。
君:ところで、ここってどこの中学校?
私:テントに日原中学校の名前があるね。〒699-5221 島根県鹿足郡津和野町日原564、津和野町立日原中学校。
君:なるほど。島根県の西端。県境なのね。
私:正直申し上げると・・テントの日原の文字が解読できていなければどこの方言なのか特定は困難だった。
君:学者様じゃあるまいし、そんなのあなたには無理よ。
私:素直に認めます。僕がせいぜい言える事は、飛騨方言ならまかせとけ。
君:でも、石見方言である事が判って、あれこれ書きたい事が出てきたのでしょ。
私:その通り。宣誓の後半、つまりは方言部分での赤団団長の言葉が「ヒテラ」という風にどうしても聞こえてしまって悩んでいた。
君:ええ、私にもそう聞こえるわよ。
私:これは石見方言の音韻の特徴のひとつらしい。
君:どういう事かしら。
私:ハ行子音が拗音化、つまり「は」が「 ふぁ」なんだ。
君:それってハ行転呼じゃないの。つまりは石見方言は平安時代の音韻なのね。
私:その通り。無声両唇摩擦音。都では唇音退化現象により両唇接近音、すなわちワ行の音に変化した。録音の質という事だろうが、飛騨方言でもハ行転呼し「ヒワラ」になる。赤団団長の言葉は「ヒファラ」に近い音韻だったという事か。これが僕には「ヒテラ」に聞こえた。
君:それよりもあなたの耳が心配。
私:ははは、そういう事か。有難う。確かにね、67歳ともなると軽度の感音難聴があってもおかしくない。例年の健康診断では一応、正常範囲内だが、実は数年来、耳鳴りに悩んでいる。これも蝉が泣くような高い音で、典型的な老化現象だ。
君:仕事は大丈夫?
私:循環器専門医は聴診器で勝負。まずは動画をどうぞ。

君:心ここにあらざれば聞けども聞けず。
私:その通り。全神経を集中して「みつけてやるぞ!」という気合が大切。見つかれば心臓手術。人の命がかかっている。
君:まあ、それは大変。
私:聴診できなくなったら循環器科医をやめるしかないね。
君:手が震える脳外科医も。
私:その通り。総入れ歯になった歯医者さんも。
君:医者をやめても方言は続けられそうね。
私:勿論だよ。人畜無害。脳の刺激になるし。いやあ、石見方言がハ行転呼していないのは驚いたな。蛇足ながら、石見方言ではラ行子音が脱落するらしい。「ありました」が「あーました」になるそうだ。それと「せ・ぜ」が「しぇ・じぇ」になる。これは安芸方言の特徴でもある。5年生国語「たずねびと」も参考までに
君:なるほど、石見と安芸は「せ・ぜ」が「しぇ・じぇ」、あなたの方言学もボチボチと言うところね。ほほほ

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