会話の流れで出てくる言葉ならば飛騨方言を知らない方でも十分に理解はできましょう、
女はいるな、という命令調の言い回しです。共通語の動詞・いる、は飛騨方言では、おる、です。
いる、は決して使われない、といえば言い過ぎかも知れませんが、
おる、を使うのがきわめて自然です。そして、禁止を示す終助詞・な、がこれの終止形に接続しますと、
おるな、ですが、これが撥音便になる事が多いのです。
別稿・飛騨方言におけるラ行動詞の撥音便
を参考にどうぞ。
さて、おんなぁおんな、とは戦地など危険な場所、あるいは女人禁制の場所、
たとえば土俵の上あるいは修行の山などを示すといえましょうか。
前立腺肥大でおしっこの出具合が悪いとか、はげで悩んでいるとか、
男同士で話が盛り上がっている場合もついつい、おんなぁおんな、
Ladies, please refrain from being here. Or,
ladies you are kindly requested not to be here. というのではないでしょうか。
またついでですが、男の方はご遠慮ください、という飛騨方言ですと、
おとこはおるないな、になります。撥音便にはなりません。おんないな、は飛騨方言ではありません。
ついでですが、おんなぁおんないな、も飛騨方言としては二重にアウトでしょう。
終助詞・いな、は女性が使用するものなのです。
つまりは四角い丸、鉄の木琴、等々、形容矛盾の言い方になってしまいます。
参考記事
飛騨方言の回文・なんにも煮(に)んな
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