大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム方言学<

飛騨方言名詞・好きやお(2)

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私:飛騨方言名詞・好きやおには続きがあるのです。
君:ほほほ、いやだわ。
私:いや、そうじゃなくて。じゃあ、質問。高山・岐阜・名古屋、3都市の違いを一言でいうと?
君:ふーむ、当サイトは方言学がテーマね。例えば
       人口         県庁   濃尾平野
旧高山 たかだか五万 いいえ いいえ
岐阜   五十万       はい   はい
名古屋 二百万       はい   はい
岐阜と名古屋は似た都市だけど、旧高山は越え難い溝がある田舎という事かしら。
私:ははは、君は都会病だ。高山は田舎を誇らなくてはいけない。県庁といえば、明治の始めのドタバタで高山県があった事がある。県庁という言葉が好きなら、高山は旧県庁と言えばいいんだ。実は「すきやお」の「や」の部分だか、指定の助動詞だろ。関西は、や。関東は、だ。越えがたい溝がある。方言の東西対立。ところで君は、だもんで信長、というゲームソフトを知っているかい。
君:えっ、あなたはゲームソフトもお好きなのね。
私:ははは、好きなわけが無い。一度もやった事がない。名前を知っているだけ。前置きが長かったが、実は一点だけ、岐阜市と名古屋市では決定的な方言の違いがある。指定の助動詞。岐阜は完全に関西系で、じゃ・や。一方、名古屋は完全に関東系で、だ。高山市だが、言うに及ばず岐阜市と同じ関西系。この東西方言対立の境目は木曽川だろう、佐七は実はこれが言いたかった。僕が若し木曽川のほとりに生まれ育っていたらこれが私の生涯のテーマになっていただろうね。
君:ああ、そういう事だったのね。それでは、
       指定の助動詞 木曽川の西か東か "好きです"の若者言葉
旧高山 じゃ・や     西                すきやお(=じゃよ)
岐阜   じゃ・や     西                すきやお(=じゃよ)
名古屋 だ           東                すきだ(=である)
という事ね。
私:そうだよ。高山はやはり岐阜県です。断じて愛知県ではない。
君:名古屋では、・・そういえば、すきだでトヨタカローラ、なのよね。

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