筆者の古文の知識も高校生どまりで、もとよりその語彙も知れていると言う事ですが、
どうもバ行音が含まれる古語活用品詞、つまりは、動詞、形容詞、形容動詞、で現代語に
至りこれが、マ行音に置換された品詞が多いと言う事でしょうか。
筆者なりに気がつきますに、飛騨方言には若干の活用品詞にこの古語の言い方が
残っているようです。なんとかがんばって内省した結果、以下の単語が思い浮かべられました。
古語 共通語 飛騨方言
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せばし −> せまい、 せばい
さびし −> さみしい、さびしい さびしい
さぶし −> さむい、 さぶい
ねぶし −> ねむい、ねむたい ねぶい、ねぶたい
けぶし −> けむたい、 けぶたい
つめたし −> つめたい つべたい
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古語に由来する方言故、俚諺であろうはずもありません。
この古語の言い回しが、国文法形容詞・〜い、になって全国各地に残っているのでしょう。
また別稿、飛騨方言における動詞、形容詞等のガ行濁音化現象に触れていますが、
飛騨方言では、あが(赤)い橋、たがい(高)山、といいますが、これは全くの別現象です。
全ての活用においてカ行がガ行になる、と佐七は言いたいのです。
古語活用品詞バ行音の場合は,一語ごとの吟味が必要です。
例えば飛騨方言では共通語・甘い、を、あばい、と言うわけでは決してありません。
あばし、という古語があるわけでも勿論ありません。
ところがおまけですが、ひも・紐の事を飛騨方言で、ひぼ、と言うんですよ。
そして、古語にはひぼ、は無し、ところが、古語・ひも、はあった。
古語のひも、は氷面・ひも、氷の張った表面の事でした。
ちょっと外れた議論ですけど。。。