別稿に、飛騨方言における動詞、形容詞等のガ行濁音化現象を記載しました。
飛騨方言では活用助詞の濁音化現象は、実は、動詞、形容詞にとどまりません。
か行、の音を含む助詞の濁音化現象が顕著であると筆者なりに感じます。以下に例文を交えて概説しましょう。
格助詞・から
東京から大阪まで、という句を、東京(が)ら大阪まで、と言うとむしろ飛騨方言らしくなります。
他の例文としては、今日(が)ら新学期や、いつ(が)らそんね、おおきょなったんや(=いつからそんなに大きくなったのだ)、などが
上げられます。
係助詞・か
どれ(が)わからん、これ(が)もしれん、などが相当します。
係助詞・こそ
きょう(ご)そ告白します、あいつ(ご)そ悪い、などが相当します。
終助詞・か
一番安いのはこれ(が)?、なるほどそうやった(が)!、などが相当します。
接続助詞・から
この注文ぁ誰でもないお前が頼んだ(が)ら、わしが注文してやったんや、などが相当します。
接続助詞・けれど
飛騨方言ぁ高山の人にゃ簡単や(げ)れど、東京の人にゃむずかしい、などが相当します。
それにしても、やはりガ行の助詞が多いようです。がんばって内省しますと、実はまだまだ出てきそうな気がします。
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