大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

花いちもんめ

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花いちもんめは相手方と人数を競うジャンケン遊びの時のわらべ歌ですが、各地で少しは異なっているようです。 古くは益田群阿多野郷(現高山市南部)と呼ばれた地域の花いちもんめを紹介します。
共通語版

A ふるさともとめて 花いちもんめ
B タンス長持 どの子がほしい
A あの子がほしい
B あの子じゃわからん
A この子がほしい
B この子じゃわからん
A 相談しよう
B そうしよう

(グループで集まり、
 相手から1人ほしい人を選ぶ)

A and B 決〜まった!
A ○○ちゃんがほしい
B ○○ちゃんがほしい
A and B ジャンケンポン!

(指名された子同士がじゃんけんをし、
勝ったら相手を自分のグループに入れる)

勝ちグループ 勝ってうれしい花いちもんめ 
負けグループ 負けてくやしい花いちもんめ 
大西郷版


A タンス長持 あの子がほしい
B あの子じゃわからん
A この子がほしい
B この子じゃわからん
A 相談しよう
B そうしよう

(グループで集まり、
 相手から1人ほしい人を選ぶ)

A and B 決〜まった!
A ○○ちゃんがほしい
B ○○ちゃんがほしい
A and B グストリパストリ、グッピッパッ!、
     ジャンケンシ!アイコデシ!

(指名された子同士がじゃんけんをし、
勝ったら相手を自分のグループに入れる)

勝ちグループ 勝ってうれしい花いちもんめ
負けグループ 負けてくやしい花いちもんめ
小学校の頃、放課後に校庭でよく遊んだ昔なつかしい 花いちもんめ の遊びを思い出しました。 えっ、昔といってもどのくらい古い話ですかって。 ふふふ、まだ村にテレビが一台も無かったんですよ。ラジオだけでした、そう 赤胴鈴之介。

またところで当サイトの別コーナー、飛騨方言訳童謡 コーナーで、 童謡・春がきた から "が" の文字をぬくと飛騨方言にりますよ、とお書きしています。 そういえば、花いちもんめでは 誰々ちゃんが欲しい♪  と、私ら飛騨っ子ですが、しっかりと"が"を フレーズに入れて歌って遊んだのでした。これじゃあ飛騨方言らしくないや、大変だ。 早速ネット検索にかかりました。

さて、私は"ふるさともとめて 花いちもんめ"のフレーズは歌った覚えがありません。私どもの村では、 いきなり、"タンス長持あの子がほしい"が出だしです。昨日は、花いちもんめをキーワードに あれこれ調べものをしましたが、"タンス長持 どの子がほしい"に一瞬ドキッとして、これは 誤植か誤字かと思ったものです。 私らの "タンス長持 あの子がほしい"こそおかしな言い回しといわれるかもと、 すぐに気づいたのですが。

がしかし、一言、言わせてください。花いちもんめは代表選手がジャンケンで勝って、 味方数を増やす遊びです。ですから、出だしに、まず "どの子がほしい"などと、 まるで捕虜を差し出すような共通語版のほうが理屈にあわない言い回しのような 感じがしますが、どうでしょう。

また、ジャンケンですが、ぐう と ぱあ は共通語と同じですが、チョキ は私の村では ピー です。 おそらくは飛騨全域で、そうでしょう。 "グストリパストリ" は グー、パー を示し、"グッピッパッ!"は グー、チョキ、パー を示します。

あくまでも推察ですが、飛騨では、少なくともかつては、ジャンケンポン!とは 決していわないでしょう、少なくとも私の村及び近隣の村々においては。 また、"ジャンケンシ!"の"シ!" は ジャンケンします・しよう の "し" であろうと 私・佐七は推察し。

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