大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

無アクセント−2

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私:今日は表題の第二弾。既に福島方言で第一稿を上梓している。無核アクセント(崩壊アクセント)
君:崩壊アクセントと言えば福島県と宮崎県ね。
私:うん、僕もつい先ほどまではそのように認識していた。が然し、一つのネット情報がたまたま目に留まり、大変に衝撃を受けた。2023年3月25日 午後5時00分福井新聞によると福井県民なぜ方言を恥じる?コンプレックスの背景 加藤和夫名誉教授が解説書、一因は「無アクセント」との事。
君:いずれリンク切れになるでしょうから、要約をお願いね。
私:うん。・・嶺北の人は方言へのコンプレックスが強い。金沢大学名誉教授の加藤和夫氏が集成。NHK調査で方言を恥ずかしいと答えた割合が全国一は福井県で26・9%。嶺北に限れば28・9%とさらに高い。一方、「方言が好き」が最下位だったのが福井市で、わずか20%。要因は「無アクセント」。福井、坂井、鯖江、越前はメリハリのない平板な話し方が特徴。語尾が伸びるイントネーションも際立つ。進学や出張で県外に出た際、「なまっている」と指摘される。言われた方は無アクセントを自覚していないがゆえに「いわれなきコンプレックス」を抱えて萎縮する。テレビのインタビューに答える地元の人の発音を気恥ずかしく感じる。
君:なるほど。
私:あわててアクセント学の成書を読み返したが、三省堂アクセント辞典の有名な金田一春彦氏作成図に勝るものは無いと感じた。百の言葉よりも一枚の図。要するに無アクセントの地域は結構、広い。
君:具体的には?
私:宮城県南、山形南、福島全県、栃木と茨城のほぼ全域、赤石山脈、福井の一部、愛媛の一部、高知の山間部一部、宮崎全域、熊本山間部、佐賀ほぼ全県、長崎県一部の島嶼部。以上だ。
君:なるほど、結構広いわね。
私:アクセントは三歳くらいまでの幼少期の言語環境が決定的な意味を持つ。飛騨全域に関すれば東京式アクセント内輪系なので、東京に進学、出張してもアクセントで臆する事はあまりないだろうが、それでも類別語彙を詳しく見てみると、飛騨方言のアクセントは、やはり東京語のそれとは微妙に異なる。飛騨出身の声優さんと言えばかとう有花さんだが、彼女も努力なさって声優になられたのだろう。つまりは声がいいだけでは声優は無理。六年前のNHK朝の連ドラを思い出す。茨城から東京へ集団就職するヒロインの同郷の親友が女優を目指し苦労する。つまりは崩壊アクセントの事だったのか、と今、瞬時に理解した。イェーイ
君:彼女は茨城の崩壊アクセントで苦労したのね。
私:オーディション突破までは良かったが、撮影現場で苦労、監督に揶揄され、遂にそのパワハラに切れ、茨城の実家(牧畜農家)に戻るが、が然し気を取り直して再度上京、女優の夢を果たす。
君:ハッピーエンドね。根気とアクセントに気を付ければなんとかなるものなのね。ふーむ

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