大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

ほけんしょ

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飛騨方言丸出しの方は、 保険証の事を、ほけんしょ、といい、 免許証の事を、めんきょしょ、などと発音される方も 多いのではないでしょうか。 まさか、方言研究の野外調査で、
"では、申し訳ありませんが、あなたが今おっしゃった 言葉を漢字で書いてみてください。"
と質問を発し、得られた回答が、 保険書・免許書、であれば、 誤れる回帰 であったのかというのが考察になり、 保険証・免許証、であれば、 土田吉左衛門著書にみる飛騨方言の音韻の変転 にご紹介しました如く、長音の短呼化であったのか という事になりましょうか。 でも、こんな野外調査って、不成立でしょうね。 なにせ相手は海千山千の方々ですから。 お利巧な年配の回答者の方も多いでしょう、例えば
"あーれ、すまんえな。おりゃなあ、きょうちょっと 手が痛いんじゃさ。お医者様がなあ、わりゃリウマチやで 手ぇ使ったらだしかんぞっ!って言わはるんじゃさ。 ほれほれ、あの字やろ、あんたの思っとる字と おんなじやで。そしゃなあ、代わりに書いどってくりょよ。 そしゃ、たのむさあ。"
ふーむ、我ながら寂しいギャグですね。 リアリティに欠けました。 ところで私など、いつも親父にはぐらされてばかりで、 親父の相場といえば、例えば
年取るとなあ、はや何もかも忘れてまってだしかんさ。 そやけどなあ、 重箱の隅みたい質問は辞書ひきさえすりゃあ、 すぐにわかるながい。 そいつが答えやさあ。
と言って、決して書きはしないでしょうね。 このようなノラリクラリの答弁術は政治家には 必須でしょう。

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