大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

究極の飛騨方言・川柳同字折句(ドウジオリク)

上五・中七・下五の各頭に、任意に選んだ「同じ文字」を入れるもので、 折句の一種、つまり川柳の種類とされます。 華麗なる飛騨方言川柳の世界をお楽しみください。 また当サイトは気結折句飛騨方言の俳句も掲載しています。
勝とうかと 蝌蚪(かと)の足軽 硬うなる 何れリンク切れ、第初回 - 天下布武岐阜俳句大会ですが、2022年岐阜市商店街振興組合連合会様が地域振興を目的として主催、・・・岐阜の街が好き・岐阜に縁が深いという皆さん、応募総数6246句のたくさんのご応募ありがとうご ...・・・との事でした。なるほど相当数のご応募でしたが、受賞作の中でも私が一番に気に入ったのが、丸腰の 足軽ばかり 蝌蚪の陣。栄子先生、ご入賞おめでとうございます。これってもしかして川柳(?)、大の川柳好きの私はつい「かと」四回の音韻で同字折句を詠んでみました。盗作だわよとおっしゃられると立つ瀬がありません。さて畿内文法の流れを汲む飛騨方言は形容詞連用形はウ音便(青う、赤う、遅う、硬う・)です。また彼女には釈迦に説法で申し訳ないのですが、硬うなる、は緊張で筋肉が硬くなるという意味では無く、外からの侵入に備えて城、住まいの防御を固めるという意味ですね(蜻蛉・下、枕160、今昔2.2、平家7)。或いは、岩波文庫復刊・おあむ物語(大垣城籠城)ここと言うところでしょうか。

あんさまが あしたり食べる あっぽ搗く あんさまはお兄様、あるいは長男様、等の意味で 若い男性に対する敬称です。あしたり、は明日のことです。あっぽ、は餅の事です。幼児語といってもいいかもしれません。 手偏に島と書いて、つく(常用外)と読みます。

いずまかき いさってまって いのかんさ いずまかいて、とはあぐらをかく事です。 いさる、はいばる事です。飛騨方言ではいさってしまって、とも、いさってまって、とも言います。 いのく、は動く、です。いのかんさ、は動かないぞ、という意味です。

うたていさ うすいでうでて うむす栗 形容詞・うたてい、は 恐縮します、かたじけない、という意味です。ゆすぐ事をうすぐ、と言い連用形はイ音便になり、 うすいで、です。ゆでる事をうでる、と言い蒸す事をうむす、と言います。 句意は、かたじけない、ゆすいで、ゆでて、蒸す栗の郷土料理 (つまり下呂の名物・栗こわい)という意味です。

えがむくち えらいえどやが えんがいな 笑顔というのは 素晴らしいものですが、要はイーッと言って如何に口元を吊り上げられるかという事ですね。 これが突然できなくなる病気があります。例えば 末梢性顔面神経麻痺。共通語訳ですが、ゆがんだ口元 ひどい唾液ですが いいのですか、 という意味です。急性期の適切な治療により病気は完治しますので分秒を争って医療機関を 受診される事をお勧めします。佐七の主治医から飛騨方言の健康一言メモでした。