大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

農協のケーキの注文でまずやわう

飛騨方言俳句コーナーに戻る

俳句で楽しみながらの飛騨方言レッスンですが、やわう、というのが準備するという意味の 四段活用俚言動詞です。当然ながら連用形の活用で名詞となります。 つまり、やわい、というと準備・用意、と言う意味の名詞です。

そしてやはり何と言っても、ふゆやわい、つまりは冬支度という意味の名詞が 飛騨方言辞書では重要単語になりましょう。 がしかしそんな受験用単語暗記みたいな話では全然面白くありません。 今日の主題はズバリ、クリスマスのやわいです。

さて今日の一億総人口飽食の時代にクリスマスケーキを 感動して味わう日本人が何人お見えでしょうか。 私が生まれ育った昭和三十年代の飛騨の寒村にはケーキ屋も肉屋もなく、 あるのはバス停留所の前の駄菓子屋一軒だけ、カバヤのインスタントジュース を売っていました。

もうひとつ、当時は三公社五現業といって塩、酒などを村の農協で売っていたのです。 このように塩、酒など農協に陳列されている商品とラジオだけが佐七に都会生活の何たるかを 教育していたんですよ、実は。 ある年に、小学二年だったかな、農協さんが暮れに突然、 各戸を回りパンフレットを持ってクリスマスケーキの注文を始めたのです。 農協さんいわく
今年から予約注文始めたんやけどえな、ひとつ買ってくださらんかな。 24日の午後に配達させてもらうで、銭もそんどきでええし。 どうやな、このパンフのケーキ、おいしそうやろ。

けどちょっと高いかなあ。かになあ、まけれんのやさ。 そやでこの小さいほうのケーキなんかどうやな。 ( Well, the larger cake may be a little bit expensive. But, I am afraid, the price is not negotiable. So, how about this smaller one? )
我が家は、、(銭の関係で)、、、、一番ちいさいケーキを注文しました。 24日には仏壇にお供えとして飾り、あくる25日聖夜に 家族全員(祖父母、両親、兄弟三人)がその七等分、 つまり一口を生まれて始めていなだくそのケーキのおいしかった事。

ページ先頭に戻る